株のアノマリーは、当てになるのか?
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アノマリーというのは、因果関係はハッキリしないが、よく起こる現象のことを言う。
たとえばサッカーのワールドカップが開催されている期間は、株式取引が減り、閑散化すると言われている。
株式市場が閑散化すると、優良株は下がらないが、中途半端な銘柄は買い手が居ないので、下落する。
これは株のアノマリーの一つだ。
また7月上旬や12月上旬は、株価が上がりやすいと言う。
なぜならこの時期はボーナスが出て、ボーナスで株を買う人が増えるからだ、とか。
しかし実際のところ、この時期に株が特に騰がりやすいという印象は全く無い。
私は零細デイトレーダーで、小型株や新興株を中心に売買しているので、個人の買いが強くなったか弱くなったか、多少は分かるつもりだが、そういう感じはしない。
7月に関しては、「七夕天井、天神底」(たなばたてんじょう・てんじんぞこ)というてアノマリーもある。
これは七夕の頃の株価がピークで、天神祭が行われる7月24日あたりが底になる、というアノマリーだが、これもなんか妙だ。
というのもこれが正しいなら、7月の月足は陰線とか上ヒゲになりそうなもんだが、過去10年の月足チャートを見ても、陽線になっている年が多かったりする。
そんなわけで、株のアノマリーが正しいかどうか、妥当かどうかはかなり怪しい。
アノマリーには様々なモノがあるため、妥当で起こりやすいアノマリーもあるし、そうでもないアノマリーもあるんだろうけどね。
ただし大きな資金が動くようなアノマリーは、比較的当たりやすいようにも思う。
というのも株価というのは結局、買い手と売り手の需給(じゅきゅう)バランスで決まる。
そしてこの需給を決めるのは、機関投資家や投資ファンドなどの大口トレーダーの動向だ。
つまり大口が買いに入っている時期は株価は上がるし、逆に大口が買いに入らない時期は、株価は低迷する。
この大原則さえ分かっていれば、それぞれのアノマリーが妥当かどうかは、ある程度判断できるかも知れない。
たとえば機関投資家や投資ファンドは、利益を顧客に分配するため、年に2回くらいは益だし(えきだし)のために利益確定を行う。
これはそういう決まりでやっているモノだから、この時期は株が売られて株価は低迷するのが当たり前。
ただどのタイミングで益だしを行うかは、それそれのファンドの判断だから、5月から6月くらいとか、10月から12月にかけてと言う風に、かなりアバウトになる。
だからこそ、根拠は強いけれど、アノマリーだと言われるわけだね。
さらに、良く起こるアノマリーは、それを信じて売買するトレーダーや投資家も多くなるので、それだけでアノマリーの出現確率も上がってしまう。
自分はそんなアノマリーなんて信じないぞ、と頑張ってみても、多勢に無勢だから、抵抗したら逆に損する羽目にもなる。
だからアノマリーの存在だけは、とにかく知っておいて損は無いと思う。
ということでここからは、様々なアノマリーについて、随時調べていくことにする。