2017年後半の株式相場はどうなる?
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2017年前半の株式相場は、膠着相場であった。
2017年前半の株式相場を振り返ってみると、前年12月から2月まで、日経平均株価が1万8000円台で、およそ3ヶ月にわたって揉み合いの商状だった。
そして3ヶ月の揉み合いの後、3月には株が売られていったんは下落したが、4月中旬からまた謎の買いが続いて株価は上昇。
5月6月7月の3ヶ月間、日経平均は2万円台で揉み合うという展開が続いた。
この原因の一つは、アメリカの景気が持続し、米国の株価が右肩上がりに上がっていたことが挙げられるだろう。
原油価格が40ドル台から50ドル台で推移し、比較的安定化していることも、大きく寄与している。
では2017年後半の株式市場が安泰かというと、そこまで強いとは言えないようだ。
というのもそろそろ景気後退の足音が聞こえ始めてきており、チャート的にもそろそろ下落が始まるんじゃないかと見ることもできるからだ。
日経平均株価の週足チャートによると、8月末時点では、26週移動平均線あたりにある。
5月から三ヶ月揉み合った後、8月に13週移動平均線を割り込んで下に入り込み、現時点では26日移動平均線で下げ止まっている感じだ。
日経平均株価は、4月に一度26週線を割り込んでおり、それに次いで2度目の割り込みだ。
チャート論的に言うと、株価が3度目に26週線を割り込んだら、下落トレンド入りすることが多い。
26週線は上昇から水平に傾きが変わってきており、これを下抜けると、上値が抑えられ、下に行く展開になる。
26週線と52週線の関係を見ると、前回のデッドクロスが2016年の1月で、前回のゴールデンクロスが2017年の1月になっている。
この間隔は約1年だから、前回のゴールデンクロスから約1年の来年2018年の1月に、またデッドクロスが来る可能性もある。
日経平均225 週足チャート(2015-2017)
ボックス圏、高値揉み合いはどこまで続く?
ニューヨークダウは右肩上がり、ナスダック総合指数も右肩上がり。
ところが日本株は、日銀が株価を買い支えているにもかかわらず、2万円の大台を超えてドンドン上がっていかない。
その最大の原因は、日本には成長盛りの企業が少ないからだろう。
アメリカではここ15年間で、GoogleやTwitter、FacebookやAmazonなどと言った、ネット時代の大企業がドンドン誕生して、世界に進出している。
iPhoneのアップル社も起業こそ1970年代後半だが、大きく伸びたのは1998年のiMac発売以降になる。
iMacというお洒落なパソコン、iPodというウオークマンに替わる音楽プレイヤー。
そしてiPhoneというスマートフォンと、ボード型パソコンのiPadと言う風に、数年ごとに大ヒット製品を世界に送り出してきた。
Googleも、ネット検索ビジネスから始まり、Googleアドワーズ(アドセンス)でネット広告ビジネスを開始、さらにグーグルマップやGoogleアースと言ったサービスに手を広げた。
さらにはスマートフォン業界に参入し、無償でAndroidOSとい基本ソフトを提供して世に広め始めた。
無償で提供してどうやって稼いでいるかというと、Android携帯にダウンロードされるゲームやアプリを管理して、その課金収入の30%をシステム利用料として徴収しているのだ。
しかし日本ではそういった新しい企業があまりなく、急成長しているのはゲーム関連企業や、90年代から伸びているSoftBankやユニクロ、ダイソーなどと言った企業くらいだろう。
その一方で、日本の大企業は散々だ。
三洋電機はパナソニックに吸収されて消え、パナソニックと重複している家電部門は、中国のハイアール社に売却されてしまった。
東芝も原発部門で大赤字を抱え、赤字の穴埋めのために様々な事業を切り売りしている状態だ。
伸び盛りの東芝メディカルはキャノンに売却され、家電部門も中国企業の傘下に入り、今度は虎の子の半導体部門も手放そうとしている状態だ。
また三菱自動車は燃費偽装で売上げが大幅に減り、ルノー日産の傘下に入ったし、三菱重工は豪華客船ビジネスに失敗して大赤字を計上。
期待のリージョナルジェット事業も、不具合がなかなか減らず、納期をドンドン先延ばしにしているような状況だ。
これでは投資家がリスクを取って高値を買っていく訳にもいかない。
頼みの円安も、アメリカの実質金利が上がりそうにないしねえ。