増税で笑う銘柄、泣く銘柄
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安倍政権による、2度目の消費増税がまもなく実施される。
消費増税・税率アップは消費を冷やすとして、ポイント還元などの消費振興策を盛り込んでいるが、果たしてそんなもので消費の落ち込みを押さえ込むことが出来るのかどうか。
消費増税は、可処分所得を減らす効果がある。
その結果、消費点数が減る。
これはインフレも同じだが、収入が増えないのに物価が上がったり、消費税が上がると、買えるモノの数が減る。
たとえば1,000円で10個買えたところが、同じ1,000円で9個しか買えなくなる。
そうなるとこの商品は売れ行きが1個ずつ減るワケだから、生産も1割減ることになる。
生産が1割減れば、従業員も残業する必要がなくなる。
残業代がなくなるため、従業員の収入が減る。
もしかしたら、人あまりでクビになる従業員も出てくるだろうが、そうなるとやはり収入が減る。
収入が減った従業員は、節約しないといけなくなるので、次は消費金額が減る。
今まで月に10万円消費できたところが、9万円しか使えなくなる。
その結果、また消費点数が減り、それがまた消費金額を減らす。
これは「スタグフレーション」と同じだ。
スタグフレーションというのは、収入が増えないのに物価だけが上がっていく状況で、悪いインフレだと考えられている。
消費増税の影響を受ける銘柄、受けない銘柄
一方、株式投資でも、消費増税で騰がる銘柄と、消費増税で下がる銘柄が出てくるだろう。
消費増税で騰がる銘柄とは、増税の影響をあまり受けない銘柄だ。
消費増税で騰がる銘柄は、ズバリ「外需関連銘柄」だという。
外需関連というのは、簡単に言うと、海外での売上比率が大きく、国内での売上げ比率が小さな企業だ。
国内での売上比率が低いため、消費増税による消費の落ち込みの影響を受けにくい。
具体的には、自動車や電機、総合商社、輸出関連銘柄などになる。
逆に消費増税の影響を大きく受けるのは、内需関連銘柄だ。
内需関連企業というのは、国内にしか営業拠点がなく、販売も国内だけしか行っていないような業態だ。
建設や不動産、通信などが、内需関連銘柄になる。
ただ消費増税に関して言えば、食品や家具、家電などの生活関連が中心になるだろう。
また日本の消費税で初めて軽減税率が導入され、税率が8%で据え置かれる商品と、10%に増税される商品に分かれる。
そのため、増税になる商品を扱っている企業は増税の影響を受けやすいが、据え置きになる商品を扱っている企業は、もしかすると影響を受けないかも知れない。
どちらにせよ、消費増税の影響を受けると連想される企業の株価は、増税が実施される半年くらい前から下がる傾向になるという。