海外ビジネスで変身! ウエッジホールディングスの例
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海外子会社のおかげで、株価が急騰した例として挙げるとしたら、ウエッジホールディングスは外せないだろう。
ウエッジホールディングスは、2001年に設立された企業だが、元々は原稿や出版などを手伝うコンテンツ業だ。
ゲーム、アニメーション、コミック、特撮など、様々なエンターテイメント領域の記事編集を、大手出版社から請け負っていて、それがビジネスの中心だった。
ところがリーマンショックの後の2009年くらいから、タイのグループリース社(GL社)に出資して、連結子会社化した。
GL社は、日本製オートバイを買う際に、オートバイを購入する資金を貸し出す事業(オートバイリース)を展開しており、これが順調に伸びた。
日本のオートバイメーカーのホンダと提携して、修理などの保守サービスも行っているらしい。
2012年には、カンボジアにもGL社が進出し、オートバイリースだけでなく、耕耘機などの農機リースにも手を広げた。
現在は、インドネシアや、スリランカにも事業を広め、各国でリースビジネスを展開するようになった。
そのため、現在は出版支援ビジネスより、投資の会社ということになり、業種も「その他金融」に変更されている。
なので、この銘柄が、数年前は50円を割るボロ株だったことを知ってる人も、少ないかも知れない。
ウエッジホールディングスの日足チャート(2018年前半)
ウエッジホールディングスは、2011年末には、50円そこそこの株価だった。
この頃は、国内のコンテンツ事業への集中を止め、海外投資ビジネスに乗り出す経営方針の変更が行われた時期だ。
そうして1年後の2012年末には、海外投資ビジネスが少しずつ軌道に乗り始め、その後は毎年売上高を伸ばす様になった。
そしてウェッジHDが注目され始め、猛烈な急騰を見せた2017年には、なんと1,500円の高値を付けた。
2011年の48円から見れば、なんと30倍になった計算だ。
この急騰のキッカケは、タイの株式市場に上場していたGL社の株価の急騰だった。
GL社の株価が上がる度に、ウエッジホールディングスの株価も上昇した。
ウエッジの銘柄別掲示板では、毎日のようにGL社の株価情報が話題になっていた。
海外子会社の業績でテンバガー 月足チャート(2388 ウエッジホールディングス/その他金融)
海外の子会社を通じてのタイ、カンボジアにおける2輪ローンが収益柱。 ラオスなどにも進出
ただ残念なことに、この高値も長く続かなかった。
というのも肝心のGL社の決算に、怪しい部分があって、それでタイ株式市場で売買停止処分を受けたのだ。
その結果、また株価は低位を彷徨うようになっているが、売上げは伸びているし、おそらくまたどこかで噴き上がることだろうね。