2017年中盤の株式相場はどうなる?
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2017年も早3ヶ月が過ぎた。
2016年後半には、イギリスのEU離脱が決まったり、米国の新大統領に、不動産王ドナルド・トランプ氏が決定したり、様々な大きな変化があった。
そして年が明けた2017年には、実際にトランプ大統領が就任し、イギリスがEU離脱を正式に通達し、離脱に向けた正式交渉が始まった。
米国の金融政策を決定するFOMCでは、2016年末に金利を0.25%引き上げたが、さらに2017年3月に、さらに0.25%の引き上げを行った。
米国のインフレ率が2%に達したため、年内に、あと2回か3回の利上げがあると予想されている。
一方、2016年後半に懸念された、中国の数十兆円もの債務返済問題も、ドイツ銀行のcoco債によるトラブルも、2017年4月1日時点では何も起こっていない。
これらの問題が、果たして回避されたのかどうか、それとも先延ばしになっているのかは、よく分からないのだが、とりあえず今のところは穏やかな状態だ。
ということで、2017年3月末時点の日経平均の週足チャートは、次のようになっている。
日経平均225 週足チャート(2015-2017)
利上げを織り込んでいるのに、金利が上がらない
2017年中盤の株式市場は、果たしてどうなるか。
3月末時点の日経225平均の週足チャートを見ると、1万9,000円を挟んでの揉み合いが、もう既に3ヶ月続いている。
その前は、イギリスのEU離脱・いわゆる「ブレグジット」で株価が急落した後、やはり1万6,000円台で3ヶ月くらい揉み合っていた。
このときは1万7,000円が巨大な上値抵抗線になっており、なかなか株価が上昇できないでいた。
しかし10月末に米国大統領選でドナルド・トランプ氏が勝利したのをキッカケに、トランプラリーと呼ばれる急騰が始まった。
こういう風に、3ヶ月揉み合いが続くと、新しい動きが出ることが多いので、そろそろ何か大きなトレンドが始まりそうな時期でもある。
証券会社のアナリストなどは、そろそろ機関投資家が買いに入る時期なので、株価の上昇を喧伝しているが、果たしてそううまく行くかどうか。
一方、日経225平均に大きな影響を与えるドル円の為替レートの方はどうか。
こちらもちょっと不思議な現象が起こっている。
というのもFOMCが、年内にあと2回以上の利上げをアナウンスしているにも関わらず、米国10年物国債の利回りがさほど上がらないのだ。
米国はインフレ基調であるため、利回りが上がらずインフレが進むと、日本の方が実質金利が高くなる可能性もある。
為替レートは、日米の実質金利差と強い相関性があるので、そうなるとまた1ドル=100円割れもあり得るし。
日米実質金利差と、ドル円為替レートの相関関係 グラフ
株価というのはなんだかんだ言っても、高値を買い上がる勢力がどれくらい居るかで決まる。
だから上値を追いかける投資家が現れるのかどうか、それがこれからの株価を左右することになるのだが、果たしてどうなるかな。