NT倍率(えぬ・てぃー・ばいりつ)
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ストックボイス(東証中継)や日経の相場中継を見ていると、たまにNT倍率(えぬ・てぃー・ばいりつ)という言葉が出てくる。
NT倍率とは、日経平均株価をTOPIXで割った数で、日経平均株価とTOPIXの比だ。
日経平均株価の頭文字が「N」で、TOPIXが「T」なので、NT倍率と呼ぶ。
たとえば、ある日の日経平均株価が2万円で、TOPIX指数が2,000だったとしたら、NT倍率は10倍ってことになる。
でもなんでNT倍率が話題になるのか?
というのも、日経平均は東証一部銘柄から代表的な225銘柄を選んだものだ。
一方、TOPIXも東証一部の全銘柄の指数だ。
つまり日経平均の225銘柄は全部、TOPIXの銘柄でもあるのだ。
225銘柄は、東証一部の代表銘柄を集めたもので、会社の規模もでかいから、通常は日経平均もTOPIXも同じような動きをする。
たとえば下のような感じだね。
日経平均株価とTOPIXの比較チャート(2008-2018)
これは、2008年夏のリーマンショックのところからの比較チャートだけれど、どちらも似たような動きをしているね。
ただ問題は、その差が少しずつ大きくなっていることだ。
このNT倍率、通常は10倍から13倍くらいのレンジで推移している。
どういう感じか、29年間のデータをグラフ化すると、こんな感じになっている。
NT倍率の推移 年次データ(1989-2017)
これを見ると、NT倍率が高いときは、日経平均とTOPIXの差が大きく開いているときだ。
逆に、NT倍率が低いときは、差が小さくなっていることが分かる。
これが何を示すかというと、日経平均に採用されている225銘柄と、その他の東証一部銘柄の温度差だ。
NT倍率が大きくなるときは、日経平均株価を構成する銘柄の225銘柄、特に値がさ株が買われていることを示す。
つまり、日経平均に採用されている株のウチ、高い株が買われているということだ。
日経平均株価というのは、株価の平均だから、株価が高い銘柄の影響力(寄与度)が大きい。
2018年現在だと、ソフトバンクHDとか、ファーストリテイリング(ユニクロ)とか、ファナックといった銘柄だ。
一方、NT倍率が低くなるときは、銀行株などの時価総額が大きな銘柄が買われている事を示す。
TOPIXは時価総額の指数なので、時価総額がデカい銘柄の影響力(寄与度)が大きく、それで差が出来る。