ドイツ証券のターゲットイシュープログラム(TIP)
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低位株やボロ株を中心に株式投資をしていると、ドイツ証券ロンドン支店が○○というニュースがたまに出てくることがある。
たいていの場合が「第三者割当増資」で、ドイツ証券が数十億円出して、企業が新しく発行した株式を買い取る。
ただし増資のニュースが出ると、株価はたいてい1~2割下がるので、「ターゲット・イシュー・プログラム(TIP)」と言う、「株価を下げない増資法」という方法で行われる。
ターゲット・イシュー・プログラムというのは、「株価が○○円以上になったら増資を引き受ける」というもので、株価が設定株価より下がったら増資は行われない。
たとえば「株価が安定的に300円を超えたら、270円で1,000万株、増資を引き受ける」。
これによって、企業側は27億円の資金を調達でき、第三者割当増資を引き受けるドイツ証券側は、含み損を抱えないで株式を買うことができる。
ただし一気に増資を引き受けると、株価の希薄化がドーンと進んでしまうため、2年くらいの期間に3回に分けて引き受ける。
さらにターゲット株価も、1回目は300円、2回目は350円、3回目は400円という風に、金額が設定されており、株価がそれ以下であれば、増資を引き受けない。
(そのため、株価が下がりにくいという主張だ)ターゲット・イシュー・プログラムでは、最近の株価平均より高い引き受け株価を設定しているので、株価は現在より大きく下がらないという触れ込みだけど、でも、増資すると発表したら、株価はやっぱり下がるんだよねえ、、、
ファンドと低位株
第三者割当増資というのは、市場から資金調達が難しい企業が、証券会社や投資ファンドから資金を調達する方法だ。
そのため、投資ファンドが第三者割当増資を引き受けると、株価が上がると言うこともある。
ボロ株などでは、中小の投資ファンドが、第三者割当増資を引き受けたりするが、それによって資金難が解消されて、企業活動が活発になるという期待だろう。
ボロ株企業というのは、いつ潰れてもおかしくない赤字企業で、つねに資金の借り入れで困っている。
なので増資が行われるという発表があると、一般株は株価が1~2割ドーンと下がるが、ボロ株の場合は株価が上がり始めたりするわけだ。
基本的には、何か新しいことをやるから増資を募るわけで、「増資による新規ビジネス」によって株価が上がることもある。
ただし新規ビジネスのニュース・IR(投資か情報)と、増資の発表は、別の日に発表されることが多いため、増資発表の後は株価はたいて下がってしまう。
なので弱い材料にもかかわらず株価が上がっているときは、うかつに買い付けるとそのあとの増資のニュースで、上がった分だけドーンと下がって含み損を抱える羽目になる。
そういう意味では、ドイツ証券のターゲット・イシュー・プログラムは、ある意味安全な増資方法なのかも知れない。
というのも3回くらいに分けて増資が行われるし、割当増資の株価も、現在取引されている株価より、多少低い程度に設定されているため、大きく株価を下げないから。
普通の増資の場合は、現在の株価より、はるかに安い水準で増資が行われるから、株価はその安い水準に引き寄せられてしまうし。
まあどっちにしても、証券会社や投資ファンドが、第三者割当増資を引き受けた場合、株の売却益が目当てなので、株価が上がるたびに売りが出て、株価がなかなか上がらないことも多いけどね。