2015年中盤の株式市場はどうなる?
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2015年春の株式市場のトピックの一番は、日経平均株価2万円回復!だろう。
2015年4月10日の前場・9時9分に、日経平均は15年ぶりの2万円回復を果たした。
15年ぶり、大節目の2万円、ということで、証券会社では拍手が起こったり、テレビのニュースで大々的に報道されたりした。
ただし2万円台に乗ったのはわずかな時間で、2万円タッチ後は株価を下げて、この日の大引けはなんとマイナス。
その後の日経平均は1万9,000円台で推移していて、ゴールデンウイーク後にどうなるかは全くわからない。
というのも例年、5月の中旬以降は、株価が下がりやすい時期にあたるため、日経平均が2万円を超えてどんどん騰がっていくとは考えにくいからだ。
もちろんゴールデンウイーク後に、株価が必ず下がるわけではない。
ゴールデンウイーク後に日経平均株価が下がるのは、5月の第二週以降に大企業の決算発表が、集中して発表されるからだ。
決算発表が良くても材料出尽くしで株が売られ、悪い決算なら投げ売りで株価が下がる。
機関投資家などは恐らく、決算発表を見て、投資バランス(ポートフォリオ)を変更するので、これから騰がりそうな株はそのまま持ち続けるが、これから下がりそうな株は、好決算でも売りに出すと言うことだろう。
ただここ数年は、年の前半に株価が下がることが多く、5月6月に下がったあとどうなるかは、年によってマチマチだ。
日経平均株価の推移(月足/2005-2014)
外国人投資家は、実は買っていない。
2015年後半の株式市場がどうなるか、ここ2年の週足から考えてみる。
昨年2014年は、ここ数年のパターン通り、年初から株価がダラダラ下がり、5月に大底になった。
しかしそれ以降は株価が回復し、ヨコヨコ状態が続いていた。
一昨年の2013年のゴールデンウイーク後は、2013年4月4日に発表された、日銀の金融緩和策(黒田バズーカ)によって、株価が急騰した一ヶ月後だが大幅下落した。
これは、それまでに株価が大幅上昇した反動で、利益確定の動きが大きかったからだと考えられる。
民主党野田政権の2012年9月頃に、米国やドイツの株価が底を打って反騰し始め、すでにドル高円安トレンドが発生していた。
そこで、いち早く日本株に目をつけたのが海外の機関投資家で、株価水準がまだ低かった2012年に、3兆円も買い越している。
さらに政権交代による政策転換期待で、2012年12月から株価は大幅に急騰していたから、ゴールデンウイークあとに利益確定の動きが出るのは当然だった。
2013年の海外機関投資家は、売りが約316兆円で買いが331兆円なので、約15兆円の買い越し。
2014年は、売りが約326兆円で、買いが327兆円なので、約1兆円の売り越し。
日経平均の6割を占める海外投資家が売り越しているのに、株価が上がっているのは、GPIFによる株式購入のせいだろう。
ここ2年の週足チャートを見ても、黒田バズーカでは殆ど株価が上がっていないが、GPIFの日本株式投資比率アップの話題が出た7月や、正式決定後からの株価はジワジワ上がっている。
日経平均株価の推移・週足(2014-2015)
2015年の外国人投資家の動向
因みに2015の外国人投資家の動向は、1月は、約9,000億円の売り越し2月は、約2,000億円の買い越し3月は、約5,000億円の買い越しと、なっている。
4月の第1週・第2週には、1兆円の買い越しが発生していて、これが日経平均株価2万円に大きく寄与したことは間違いないが、逆に言うとこの買い越し株が、いつ利益確定されるかが問題だ。
ただしGPIFの国内株式比率引き上げ以上の大きな政策が、今後はもう出ないと考えれば、あまり期待できないかもね。
金融緩和は一時的には株価を上げているが、効果は長続きしないみたいだから。
最後は日経平均との連動性が高いとされる、米国のSP500との比較グラフだ。
ドル円・NYダウ・SP500・日経平均の比較
緑色が日経平均で、赤色がSP500。
2014年はSP500の方が上だったが、2015年はSP500を大きく追い越している。
これもGPIF効果って事なんだろうけど、果たして?