株は美人投票?
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株は「美人投票」だと言われることがある。
みんなが美人だと思うと、株価は急騰する。
しかしアラが見え始めると、株価は下落する。
絶世の美人だと思って全財産をつぎ込んで、ようやく一夜のデートにこぎ着けたと思ったら、素顔や悪い性格の方が目立ち始め、失望するというような事が起こる。
株の場合も、新しい材料が出て、これは凄いと思う銘柄には買い注文が殺到し、ストップ高まで急騰する。
ところが一晩二晩過ぎて冷静になってみれば、「それほどでもないな」「他でも似たようなことをやってたな」と分かって、途端に熱が冷めたりする。
大幅上昇した翌日に、ドデカい売り注文が続いたりするのは、「それほどでもない」と思っているホルダーが、「今が売り時」と思って全部売りに出してくるからだろう。
こういう風に大量の売り注文が出ると、他のトレーダー達も「あれ?絶世の美女だと思ったが、十人並みだったか」と考え始める。
そうして興奮が少しずつ冷めていき、株価は徐々に下がり始める。
さらに下落を察知した大口も、さっさと手仕舞って長い陰線ができる。
買い手だった大口トレーダーが、買いから手仕舞いに替われば、当然買いの勢いはなくなるので、ストーンと株価は下がる。
その結果、明らかな好材料であっても、その日は値を消してしまうと言うこともよくある。
株価は需給が全て。
買いたい人が多ければ上がるし、売りたい人が多ければ下がる。
特に重要なのが中小の投資ファンドや大口トレーダーの動向で、彼らが買っているウチは株価は下がらない。
逆に彼らが買わなくなったら、株価はジワジワ下がる。
そんな感じのチャートが下のチャートだ。
値上がりするも、元の木阿弥になった5分足チャートの例
このチャートでは、朝イチから買いが断続的に入って上昇したが、11時過ぎたところからトレンドが替わり、結局大引けには、前日比からわずかに高いところで引けている。
いわゆる「値を消す」という形のチャートだが、これだけ需給バランスがハッキリしているのであれば、さっさと手仕舞いしないといけない。
特に朝の11時前後から大きな売りが出て、長い陰線が出た時は、後場はどうなるかサッパリ分からないので、後場イチの板情報を見て、撤退するかどうかを判断しないといけない。
このとき注意すべきは「買い注文の分厚さ」で、有望銘柄ならば後場寄り前に買い注文がギッシリ並ぶ。
しかしもう一つ有望視されていない銘柄だったら、後場寄り前に買い板が薄くてスカスカになっていたりする。
もし前者であれば、11時過ぎから前引け前の売りは、デイトレの利確売りだと理解できるので、切り返して上昇することが期待出来る。
しかし後者の買い板が薄い状態ならば、トレンドは下落方向になるので、後場寄りでさっさと逃げるのが吉(きち)と判断すべきだ。